大幅にリライトしました!

男にひどい扱い受けてる女に自業自得って責めちゃダメ】いい男/悪い男は見た目じゃわからない

『自殺者と自損行為搬送者推移』舞田敏彦作成

『自殺者と自損行為搬送者推移』舞田敏彦作成

サツキ

生理きてないし連絡つかないし、一体どうしたらいいの?

ブリトニー

なんでそんな男選ぶの? 自業自得じゃん、今さら泣きつかないで!

SPONSERED

自業自得で片づけられる問題じゃない

女が望まぬ妊娠をしたり、デートDVに遭うなど恋愛でひどい目に遭うと、結構な頻度で「そんな男を選んだアンタが悪い」という人が現われます。

しかし、被害に遭う前にいい男/悪い男を見抜くことは難しいです。

ひどい男がいい人そうに振る舞うのは当たり前だし、事前に見抜くことはほぼ不可能だからです。

本当の問題は、「女をひどい目に遭わせたい」「女の心や体を軽く扱いたい」という危ない男が社会の中に一定数いて、恋愛している風を装って女に加害行為をしていても大して罪に問われないことなのです。

避妊しないのはデートDV

まずはっきりさせたいのは、避妊しないのは女に対する加害行為だということです。

控えめな女を魅力的と考える社会では、女が恋人に嫌われることを恐れて「使って」と言えない場合も多くあります。

しかし女が直接避妊を求めなかったとしても、付けなければ妊娠や病気のリスクが高まることは男だって知っているし、自分自身も病気にかかるリスクにさらされます。

「『付けて』と言われなかったから付けなかった」という男は、まだ他人と恋愛できる段階に達していません。

また、避妊しない男の中には、女の人生を狂わせたり、心や体を傷つけたいという明確な悪意を持った男がいます。

そこまではっきりとした悪意がなくても、「女が妊娠しても病気になってもどうでもいい」と考える男は、女を人だと認めていません。

「男は無責任なもの」とか「男はバカだからしょうがない」という言い方は、自分の責任も取れない男が恋愛に参入することを許してしまうし、さらに加害の意図を持った危険な男の存在を見えなくしてしまいます。

SPONSERED

ひどい男/優しい男は地続き

ブリトニー

そんな男を選んだ女が悪い

と、女を責める背景には、

ブリトニー

この世界には「ひどい男」と「優しい男」の2種類がいて、それを見極めるのは女の責任

という考えがあります。

しかし付き合っているときは優しくても、結婚後に暴力をふるう男は山ほどいますし、悪い男だって本命には優しいかも知れません。

家の中に囲い込んでからじっくりいたぶろうと思う周到な男は、「誠実で優しくて恋愛に本気」に見えますし、浮気も一切せず結婚だって喜んでするでしょう。

問題は、プライベートな関係の中で多くの女が加害されており、しかも男が大して罰せられないという事実のほうなのです。

軽い女はひどい目に遭って当然って言わないで

サツキ

私、男の子と仲良く出来て、嬉しかった。でもこんな扱い受けるなんて、あの時はわかんなかった

ブリトニー

なんで? たまに連絡くるたび、夜中に「部屋に来い」って絶対クソでしょ

素敵なパートナーが欲しいと思って行動すること自体を「尻軽」「矢里満」などと問題視してしまうと、加害した男の責任がうやむやになってしまいます。

女が男と付き合いたいと思って、でもその女に男を見る目がないとします。

経験が足りないのかも知れないし、もともと人を観察するのが下手なのかも知れません。

では能力の足りない女は、恋愛を装って望まぬ妊娠を押し付けられたり、「付き合おう」とだまされて一夜限りの相手をさせられても、自分の責任だからしょうがないのでしょうか?

もしそうであれば自由な恋愛が許されるのは、優しい男を見抜くことが出来て、そうでなかった場合もうまくかわせる女だけ、ということになってしまいます。

SPONSERED

社会資本を形成できない

恋愛は傷つくことが多いし、男女ともに自分が望む関係を得ることは難しいです。

しかしだからと言って、「恋愛する女は危険にさらされても仕方ない」としてしまえば、女は男と関わることが怖くなってしまいます。

男だって犯罪者扱いされるリスクを抱えながら女と向かわなければなりませんし、怯えて臆病になった女はめんどくささに磨きがかかります。

ただでさえ現代は頼れる親戚や家族も減ってきて、クラスタが細分化されすぎて友達も作りにくく、男女ともに社会資本が得にくくなっています。

恋愛だけはかろうじて自由だけれど、女は男と関わると加害されるリスクがある。

結婚出来ない、子供が持てないなんて悠長な話じゃなく、多くの女は非正規に押し込まれて十分な収入や保障も得られないまま、社会に放り出されている状態です。

コミュニケーション能力があるかないかによって、助けてくれる人々のネットワークの厚さが決まるようになってしまうと、より深刻な孤独と貧困に追い込まれるのは、実は女なのではないでしょうか。

実は女だって結構自殺してる可能性

最近、教育社会学者の舞田先生のブログを読んでいて、女性をめぐる状況の厳しさを感じています。

困窮する日本の女

下のグラフは自殺者と自損行為搬送者の推移です。

90年代の末までは,両者の数は近似していました。97年から98年にかけての激増傾向もそっくりです。

しかしその後,自殺者は横ばいなのに対し,自損行為搬送人員は増加し,両者は乖離しています。近年は,自殺者の背後に少なからぬ潜在量があることが知られます。自殺者の統計だけを見ていると,社会の危機量を見誤る恐れがある。

ちなみに,自殺者と自損行為搬送人員の属性は,大きく違っています。性別・年齢層別でみると,自殺者は「男性>女性」「高齢者>若者」ですが,自損行為搬送人員はその逆です。

引用:「自殺の潜在量」データえっせい 舞田敏彦著

舞田先生の話をめちゃくちゃカンタンに要約すると、自傷行為で病院に運ばれる人はかなり多いし、本当はちゃんと調べればその後自殺してる可能性あるんだけど、自殺率には反映されていないよね、ということです。

そして、自殺の暗数のマジョリティは若い女性かも知れないと。

私は先日、ニュースで「性暴力の被害者は自殺する確率が高く、だから女性は若年者だけ自殺率が異常に高い」と見て、気になってググったら舞田先生のブログ「データえっせい」に出会ったのでした。

データエッセイを読むと、他にも日本の女は学歴が収入に結びつかないことや、非正規女性の賃金が異常なまでに低く抑えられていることがわかりました。

つまり、日本はたとえ高学歴でも女というだけで中卒の男よりお金を稼げず、生活のために経済的に男に頼らざるを得なくさせられ、危険な恋愛市場に飛び込むも心身ともにズタボロに使われて、若くして死を選ぶ女が多い国なのです。

SPONSERED

女の困窮がデータに出てきてない

それまで私は、

アオイ

女も大変だけど、自殺率は断然男のほうが高いし、なんだかんだ言ってそこまで不平等とは言えないのかも知れない

と思っていました。

しかしデータを眺めるうちに、

アオイ

(なんか公表されてる数値がおかしい)

と思うように。

人とつながるって恋愛くらいしかないし、就職で激しく差別されて生活苦しいし、気をつけてても性暴力に遭うし、何かにつけて警戒しろ、自己責任って非難される女たち。

先日若い女の子が、悪い男につかまって中絶を繰り返す女友達を「メンヘラ、自業自得」って、陰でこき下ろしているのを見ました。

確かにその子は男の選択が間違っているかもしれません。

しかし、親しい男女のあいだに潜む暴力を、女の個人的な問題として片づけてしまう時代は、そろそろ終わりではないかと思うのです。

まとめ

まとめ
  • 恋愛でひどい目に遭うのは自業自得とは言い切れない
  • 染みついた性差別が女への加害を引き起こす
  • 避妊しないのは性暴力
  • 「軽い女が悪い」と言うと加害の事実がうやむやに
  • 女が男よりしぶといなんてウソなんじゃ?