前回、慢性的な睡眠不足が続くと睡眠負債が蓄積し、日中眠くなったり集中力が続かなかったり、中でもマイクロスリープが起きて無意識のうちに数秒寝てしまうので運転中なんかはかなり危ないというお話をしました。
あと美容の面でも、テロメアが短くなって老けたり、ホルモンが乱れて太りやすくなるんでしたよね。

今回は、じゃあ実際どのくらい寝れば睡眠負債を解消できるのか、また睡眠負債を発生させない良質な睡眠のコツなどを一緒に見ていきたいと思います。
SPONSERED
目次
登場人物

サツキ

スミレ
睡眠負債を解消するにはベッドに14h×3週間
サツキ
スミレ
スミレ
SPONSERED
量の確保が難しければ質を高める
サツキ
スミレ
サツキ
スミレ
サツキ
それでは早速、良質な睡眠を取るコツをみていきたいと思います。次の3冊をよく読んで、参考に出来るところをまとめました↓。
良質な睡眠を取るコツ
- 眠気を感じた瞬間を逃さずに寝る。
- 深部体温を皮膚温度を近づける。
- 瞑想などでふだんから雑念を整理しておく。
- コーヒーなどの刺激物は午後早い時間まで。
- 寝る前30分はスマホなどを見ない。
短くまとめると、よい睡眠のコツは夜まで刺激を持ち越さないことと、寝るための時間を確保し環境を整えてあげることのようです。
ではそれぞれの項目を詳しくみていきましょう。
SPONSERED
1.眠気を感じた瞬間を逃さずに寝る
「最高の睡眠」によれば、眠り始めの最初の90分、とにかく深くグッスリ眠ることが質のよい睡眠の決め手だそう。そしてそのためには、眠いときに寝るのが一番とのこと。
サツキ
スミレ
上のグラフを見ると、一番最初のノンレム睡眠が最も深く、そのあとは明け方にかけてだんだん浅くなっていくのがわかると思います。
実はこの最初のノンレム睡眠のときに、自律神経の調整や成長ホルモンの分泌、また睡眠圧(日中の眠気)の解消が行われます。つまり、私たちの体のメンテナンスの大部分が、この最初の90分に行われるということです。
サツキ
スミレ
うつ症状を抱える患者さんは、この最初の90分の眠りが浅い傾向があるそう。ウツだから眠りが浅いのか、眠りが浅いからウツになるのかは微妙なところですが、とにかく「最初が肝心」ということを頭に入れておいてください。
スミレ
最初の90分に深く眠るコツ
そして、黄金の90分を得るコツは次の4つ。
- なるべく同じ時間に寝る。
- 1時間以上昼寝しない。
- 朝日を浴びて日中しっかり覚醒する。
- 深部体温を下げる。
決まった時間に眠気を感じられるように、なるべく同じ時間に寝るよう気をつけてみてください。また、夜に強い眠気が起きなくなってしまうので、1時間以上昼寝しないように注意します。(1時間以内の昼寝は健康によいそう)
それから、これは次の項目の深部体温を下げることと関係があるのですが、夜しっかり眠くなるためにも朝はシャキッと覚醒することが大切です。
起きたらカーテンを開けて朝日を浴びると、体内時計がリセットされて眠気の原因となるメラトニンの分泌を抑えることが出来ます。
SPONSERED
2.深部体温を皮膚温度を近づける。
「最高の睡眠」によれば、人は体内の温度(深部体温)と皮膚表面の温度に差があるらしく、覚醒しているときは手足が冷たく体内は熱い。寝るときは逆に手足が温かくなって、深部体温は下がるそうです。
確かに眠くなると手足って温かくなりますよね。ああやって体の末端の温度が上がると、深部体温の放熱が進んで良質な睡眠の準備が整うのです。わかりやすく伝えるために、アニメに初挑戦してみました!↓
↑手足がポカポカすると、深部体温が外に放熱されて眠くなる現象を可視化することができました。
この深部体温を効率的に下げるには、
- お風呂
- 足のマッサージ
がよいそうです。
一度お風呂で体温を上げると、深部体温はグーっと下がっていくのだそう。あとマッサージなどで手足の血行を良くして、放熱を促進するのも効果的。
また、朝は逆に深部体温を上げるために温かいスープを飲んだり手足を冷やすと、日中しっかり覚醒して夜にはよい睡眠が取れるそうです。
なので起きる気になれないときは、とりあえず布団から出て立つのも有効かもしれません。裸足で冷たい床の上に立ち、そしてその勢いで冷たい水で顔を洗うと、手足が冷えて深部体温が上がって覚醒が強まるからです。
自分の絵が動くのがあまりにも楽しかったので、もう一つアニメを作ってみました↓。
上のアニメ↑なんですが、起きたら手足が冷えて目覚める!みたいな感じにしたかったのですが、立つところまで描いたら力尽きてしまいました。でもだんだん上達してきました(嬉)。
ちなみに私が愛用しているパナソニックのレッグリフレは、加圧式のマッサージャーで使うと足が汗ばむくらい血行がよくなります。
確かにこれを使うようになって、重たい身体をなんとか動かせるようになりました。睡眠の質もよくなったのかも知れません!

3.瞑想などでふだんから雑念を整理しておく
「テロメア・エフェクト」によれば、不眠症の人には次のような特徴があるそうです。
- 目が異様に冴えて眠れなくなる。
- 眠ろうと必死に努力する。
- 昔のことや将来のことを思い悩む。
そして、この本の著者であるブラックバーンさんとエペルさんは、「眠ろうと頑張ったり思い悩むことが不眠の原因だから、瞑想でこれを鎮めることで眠れるようになる」と言います。
実際、睡眠療法を研究するジェイソン・オン博士のクリニックで実施された、マインドフルネス不眠療法の8週間のプログラムでは、患者さんの80%に不眠の改善がみられたそう。
瞑想についてまとめた記事がありますので、こちらもゼヒ!↓


それからロサンゼルスのメンタルクリニック院長の久賀谷さんは、著書「最高の休息法」の中で「悩みは脳を休ませないから、悩みごとを書き出してから寝るといい」と言っていました。
私も以前ストレス対策の記事の中で、絵や文章を書くことの効用について触れているのでこちらもぜひご覧ください。↓

4.コーヒーなどの刺激物は午後早い時間まで
コーヒーについては悩ましいところですよね! 飲まないと目が覚めないし、飲むと夜眠れなくなるんじゃないか心配したり。ですが、今日でその疑問に終止符を打ちます。
でも夜は覚醒しないほうがいいので、飲むのは午後の早い時間まで!
内閣府の食品安全委員会のホームページをみると、欧州食品安全機関(EFSA)のカフェインの安全性に関する科学的意見書(2015年)によれば、体重70kgの成人の場合、カフェインを一日当たり400㎎まで摂取しても問題ないそう。(妊婦は200㎎まで)
つまり、コーヒー1杯が130㎎とすると体重70kgの人は一日に3杯まで、50kgの人は2杯までが大体許容量ということですね。
コンビニコーヒーや缶コーヒーなどのカフェイン量が知りたい場合は、こちらのサイトが詳しかったですよ↓。
参考 コーヒーのカフェイン量ランキング|スタバやコンビニ、缶コーヒーはどれくらい?Acts-Coffee適量のコーヒーは健康にいい
「最高の睡眠」によれば、適量であればコーヒーは体によくて、2型糖尿病や肝臓がん、子宮内膜がんを減らすという研究結果も出ているそう。
また「テロメア・エフェクト」には、コーヒーが健康に貢献するか調査する2つの実験が紹介されていました。どちらの場合も、カフェイン入りのコーヒーを飲むグループはテロメアが伸びていたことを確認できたそうです。
ただ、血中のカフェイン濃度は半分になるまで約4時間 かかるので、コーヒーを飲むのは午後2時までなど、早めの時間帯にしたほうがよさそうです。
5.寝る前30分はスマホなどを見ない
この項目もカフェインと同じで、夜まで刺激を持ち越さないことについてお話します。スマホに限らず空腹やアルコールも、刺激になるのでほどほどにします。
良い眠りを得るためにはリラックスした環境に身を置いて、副交感神経が優位になるように工夫することが大切です。そのためには明かりを暗くしたりアロマをたいたりして、寝るための準備を整えて「ベッドは休むところ」と自分に教え込みます。
お腹がペコペコの場合は、ホットミルクなどを飲んでお腹に何か入れてあげましょう。少し長めのアニメに挑戦してみました。↓
↑やっぱり2つに分けた方がよかったかも。画面の切り替わりのせいで、コーヒーとお酒の説明が読めないですね…。反省。
「最高の睡眠」では、安眠のために少しお酒を飲むことはよいとされていましたが、その場合も量は日本酒なら1~1.5合くらいに抑え、寝る2~3時間前までに済ませたほうがいいのだそう。私の個人的な意見としては、人によっては少量のアルコールでも毎日飲むと依存症を引き起こす場合があると聞いたので、安眠のためにお酒を飲むのはオススメしません。
それからスマホやパソコン程度のブルーライトは、「最高の睡眠」では気にすることはないと書いてありました。しかし、人と連絡を取ったりニュースやSNSを見たりすること自体が脳を興奮させるので、寝る前はあまり見ないほうがよいとのこと。
「テロメア・エフェクト」では、ブルーライトは眠りを誘うメラトニンの分泌を50%も少なくするという研究結果を挙げていて、寝る前は液晶画面を見ないようにと言っていました。
私は寝る前の読書には、ブルーライトの出ないKindle Paperwhiteを使っています。バックライトがついているので、真っ暗な部屋でリラックスしながら眠気を待つことが出来ます。
今まで使っていたPaperwhiteがフリーズするようになってきたので、最近2018年発売の第10世代に買い換えました。テキスト入力や検索もさくさく動くようになったし、防水なのでお風呂でも読めて快適!
まとめ
- 眠気を感じた瞬間を逃さずに寝る。
- 深部体温を皮膚温度を近づける。
- 瞑想などでふだんから雑念を整理しておく。
- コーヒーなどの刺激物は午後早い時間まで。
- 寝る前30分はスマホなどを見ない。
参考資料
1.
Dement, W. C., Sleep extension: getting as much extra sleep as possible. Clin Sports Med, 2005. 24( 2): p. 251-68, viii.