大幅にリライトしました!

溺愛されて喜んでる場合じゃないという話。立ち向かってこない安全な相手と思われてるだけ。

清純な私とエロい私は切り離せるわけじゃない

清純な私とエロい私は切り離せるわけじゃない

今日は

頑張って清純を演じてみたって、結局キレイだからいじくってみたいって思われて、

使用済の汚れたティッシュのようにポイっと捨てられちゃうだけなんじゃない?

溺愛なんて、都合のいい女を演じてる間だけ与えられるご褒美なんじゃないの?

というお話をしたいと思います。

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汚されるための清純じゃないわ


『マジックミラー』という歌の中に、

モテたいモテたい
女子力ピンクと ゆめゆめかわいい ピンク色が
どうして 一緒じゃないのよ あーあ
(略)
汚されるための 清純じゃないわ
ピンクは みせられない

引用:『マジックミラー』大森靖子

という歌詞があります。

色んな顔を持つ私なのに、男から「清純な女」か「軽くてヤれる女」かのどちらかに、勝手に分けられてしまう。複雑さを抱える人間として扱われない苦しさを、めちゃくちゃ上手に表現しています。

絵にするとこんな感じでしょうか↓

清純な私とエロい私は切り離せるわけじゃない

清純な私とエロい私は切り離せるわけじゃない

男から「気に入ったから溺愛しよう」と思われることと、「安くてバカな女だから使い捨てにしよう」と思われることに、実は大した違いはないんです。

だって、どちらも一方的に消費する商品だと思われてることに変わりはないから。

男は安全なマジックミラーの内側で女を品定め

この男の勝手なカテゴライズを、こちらもめちゃくちゃ上手に表現しているのが、久保ミツロウさんのマンガ『モテキ』です。

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憧れの女、夏樹(妹)

モテキ(1)女を対象化するのを純粋とする男の闇

モテキ(1)女を対象化するのを純粋な行為と思い込む男の闇

ずっと片思いしていた夏樹と肉体関係を結ぶ合意をとって、自分の部屋に連れ帰り「いざ!」ってときに、幸世は彼女の寝顔を写真に収めます。

このとき幸世は夏樹が酔っているのもあって、自分も隣のこたつで寝てしまうのですが、

モテキ(1)聖女も娼婦も他者化

モテキ(1)聖女も娼婦もどうせ他者化

ふと目を覚ました夏樹は、時間を見るために幸世の携帯電話を勝手に開きます。

そこで自分の寝顔が待ち受けになっていることに気付き、微妙な表情を浮かべます。

モテキ(1)勝手に崇拝されても愛だなんて思わない

モテキ(1)勝手に崇拝されても愛だなんて思わない

ごめん やっぱり幸世君の事 男として見られない

夏樹はおもむろに帰ると言って立ち上がり、そのまま部屋を出ます。そして駅に向かう途中、幸世に「男として見られない」と告げます。

枠の中に収められ、美しい瞬間だけ切り取って愛でられても「こんなにも愛されて私…♡(うるうる)」という、安易な男好みのストーリーにしないところが、久保先生のかっこいいところ。

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都合のいい存在のままでいることを期待しないで

私はこのセリフを
「男として見られない」
=「あなたは私を”女”として見てるでしょうけど」
=「気に入った私の一面だけ愛したいのね。私に都合のいい存在でいるよう求めながら、オレのことは全面的に受け入れろって要求される関係なんてイヤ」
と解釈しました。

男は”男”のままで複雑さを認められている

男は男のままで人間だと認めてもらえます。
たとえば、「軽薄なところもあるけど、根はまじめ」など、はじめから多面的な存在として評価される。

しかし女は、”女”でいる限り、母・アイドル・遊び相手などと、パーツに切り分けられてしまいます。
「あの子は男にはだらしないけど、基本的にはいい子だよ」というときの「いい子」は、「いい子w」とか「い、いい子だよ…(たぶん…?)」であって通常の意味の「いい子」ではありません。

女は性や生活が乱れていたら、もう「いい子」の条件を満たさないんですから。

俺が認める”恋愛”以外ムナしい排泄

夏樹にフラれてヤケになった幸世は、夏樹の姉・基樹と酔った勢いで未経験を卒業します。

憧れの夏樹も性的に奔放なキャラですが、姉の基樹はそれを隠さないタイプ。

幸世はこのとき、夏樹の本当の性格に気付いていませんが、あからさまな姉の基樹に対しては「誰とでも寝るんだから軽く扱っていい存在」だと思っています。

夏樹・基樹の姉妹は見た目は違っても、どちらも「性にゆるくて優しく女らしいキャラ」として描かれており、本質的には同じなのです。

「ユッキー、いつまでこの重い荷物もたせんの?」

(好きでもない女とやったよ サヨナラ、未経験だった俺)

これがずっと俺のしたかった事か?

ドブ川に捨てたようなもんか

夏樹ちゃんと同じ事をしただけだ

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性体験が男を脱皮させるという思い込み

はじめて人と体を重ね、幸世は体をつなげてみても、自分はちっとも変化しないことを知ります。

経験すれば、大人の男に脱皮できると信じていたんですね。

しかし、恋愛で人が変われるのは、性体験が男に魔法をかけるからではありません。

女と向き合ってこれまでの自分がぶっ壊されて、女の立場や状況を考えて行動出来るようになるからです。

AV監督の二村氏はこう語ります。

(対話とは)「影響を受ける」というレベルとは違う、もっと根本的で、しかも相互的なものなんです。

対話して、自分と相手がそれぞれ何にしがみついているのか自覚させられる。

そして同時にぶっ壊れ、再構築される。それが対話です。

引用:「モテと非モテの境界線」川崎貴子,二村ヒトシ  (著)

マジックミラーの内側の安全なところから、女を商品を品定めするように見ている限り、心のふれあいなんて実感できるはずがないのです。

「好きになったら本気出す」という逃げ

さきほどのコマを拡大してみます。

好きでもない女とやったよ

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ここで疑問なのは、好きな女とだったら変われたのか?ということです。

久保先生は本当にストーリーテラーで、憧れの女・夏樹との恋が破滅的なものだと読者に伝えているのです。才能に震える!!うまい!!天才!!!

この「好きじゃなかったから」は、責任から逃げるための体のいい言い訳です。

川崎氏と二村氏は、「好きだったら解決。本気出すから」という男の妄想を下のように断罪します。

川崎 「篠崎愛の子どもなら大丈夫」問題は、誰かのことをものすごく好きになったら、すべてが解決するという思い込みにつながっているのかな、とも思いました。
二村 第二章で出てきた、「空から理想の女の子が降ってきたら本気出す」と思うパターンと根は同じですね。
川崎 あのね、ドラマティックな恋愛はすべてを解決……しません!
二村 しません!(笑)「この人のことが大好き!」と思うと、一瞬心の穴が埋まったような感じはするかもしれないけど、結婚みたいに関係を継続させていくのに、恋の感情は役に立ちません。

引用:「モテと非モテの境界線」川崎貴子,二村ヒトシ  (著)

恋愛がうまくいくかどうかは、「好きかどうか」ではなく、相手のために自分が変わろうという覚悟があるかどうかで決まります。

それが出来ていなければ、もし好きだったとしても、相手に自分の気持ちを押し付けるばかりになってしまいます。

「好きじゃなかったから」は、自分が変わりたくないからする言い訳の一つに過ぎません。

ブスだから、性格が悪かったから、思ってたのと違うから、…理由はいくらでも出そうと思えば出てくるのですから。

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君がつくった美しい世界をみせてあげる

『マジックミラー』の歌詞は本当によく出来ていて、安全なところから物欲しげに女を見る男のみっともなさをこう歌い上げます。

あたしのゆめは 君が蹴散らしたブサイクで ボロボロのLIFEを

掻き集めて 大きな鏡を つくること

君がつくった 美しい世界をみせてあげる

マジックミラー まだ みじめかな?

引用:『マジックミラー』大森靖子

私の解釈

本当は私だってキレイなかわいい女の子じゃない。

自己顕示欲とか男との経験とか、色々抱えた人間なのに、都合のいいところだけ提供しろって言われちゃう。

でも男がそう望むなら、しょうがないから演じるよ。でもお互いのみじめさに気付いてる?

まとめ

まとめ
  • 本気で話を聞く相手だと思われてないから溺愛できる
  • 自分は相手に合わせて変化する必要なんてないと思っている
  • 一面だけ切り取られて愛されても苦しいだけ
  • 恋愛は二人でぶっ壊れて再構築を繰り返す作業
  • 好きになったら本気出す、は自分の人生と向き合えていない証拠