サツキ
アイト
サツキ
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サツキ
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目次
登場人物

サツキ




男女のツラさを同列に語るのはまだ早い
就職差別や賃金格差など、現在の日本の状況は圧倒的に女性が不利。男性がケア役割を女性に押し付けて、仕事や社交だけに打ち込める仕組みが出来てしまっています。
にも関わらず、少なくない女性が、男性から「オレだってツラい!」と言われたら、うっかり耳を傾けて同情してしまうのではないでしょうか?
それって、例えるなら自分の足を踏んでくる相手に
とか
とか言って気遣うことと似てるんですけど、冷静に考えるととんでもなくグロいんですよね。
だって「男のツラさ」をよくよく聞いてみれば、「加害して嫌われて孤独がツラい」とか「タダでケアして欲しいのに有料でツラい」とか、「性交出来て当然のオレが出来なくてツラい」とか、気持ちの問題の範疇だったり自分の工夫次第で回避できるツラさだからです。
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自分が追い込まれてる自覚がついつい足りない
一方、女性のツラさを挙げてみると、
- 賃金格差のせいで貧困になりやすい
- 進学を邪魔される
- 意見を言うと排除される
- 性被害に遭いやすい
- 日常的に暴力にさらされる
- 痛い靴、薄くて短い服を強要される
- 生理や妊娠・出産、体格のせいで男と同じ水準の身体活動は難しい
など、個人じゃどうにもできないし、生命の維持や人としての尊厳がおびやかされるツラさばかり。ツラさのレベルが桁外れに違うんですよね。
なのに! 私も含め多くの女性が、
と思ってしまうんですね。別に「男のほうが女より優遇すべき存在だから!」と思ってそう考えてるんじゃないんですよ?
そうじゃなくて、
ってついつい思っちゃうからなんですよ! 自分もそんなふうに他者から配慮されたいから、まず自分から実践してるんですね。
”お互い”に配慮するのが理想だけど
でも、これにはとんでもない落とし穴があるんです。それは、
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世間知らずと言われてうっかり納得しちゃうワナ
アイト はぁッ?! それじゃ男のほうが圧倒的に損じゃん! 男は男同士競争を強いられて、女のコよりストレスが大きいんだよ?
思考を妨げるモヤモヤ神話
そう、今サツキちゃんが言ったように、女が男女の非対称性にモヤ~っとしたとき、あるモノが邪魔して考えがまとまらなくなるんです。
それは世間でまことしやかに信じられているモヤモヤ神話と、わけ知り顔で女を語る、堂々とした男の話し方です。
真実かどうか検証するのに時間がかかる、世間で常識のようにささやかれる話。
例→「男は性欲を我慢できない」「男はバカだけどピュア」「女は論理的に考えられない」「性交を積極的に楽しめる女はかっこよくて進歩的」など。
たとえば一緒に働く男性の無責任な行動に巻き込まれたとき、「男はバカだけどピュア」というモヤモヤ神話が思い出されたとします。すると、本当ならその男性に注意するとか距離を置くとか、その人自身の責任能力を問わなきゃならないのに、そういう気持ちが消えてしまうんです。
それどころか、「男女は性質が違うのだから、男の人は計画を立てるのが苦手…なんだよね? じゃあ細かい不備をチェックできる私がそこを補ってあげなきゃな。お互いさまだもんね」と言いながら、嬉々として後始末役を引き受けてしまうんですよ! もしかしたら、その人はいつもそうやって周りが尻拭いしてくれるから、無計画に行動しているだけかも知れないのに!
最近はこういうモヤモヤ神話を否定するニュースの記事や、ツイッターに上がる人々の現場の声を気軽に読むことが出来るようになってきて、ようやく私も長らく過ごしたモヤの中から、ちょっとだけ頭を出してモノを考えたり出来るようになってきました。
でも自分を卑下するようでこんなこと言いたくないんですけど、モヤモヤ神話を一つ一つ検証してつぶしていくには、たくさんの情報にあたる能力とか、信頼できる話し手を見極める能力とか、いわゆる頭の良さを求められるんですよね。
これって賢いひとは気付かないかも知れないけど、実は多くの人が陥りやすいワナだと思います。
時代に合わせて価値観をアップデートしようと思って情報を探るうちにネトウヨになっちゃうとか、カルトとか陰謀論に流れちゃうとか…。だってそっちのほうが理解しやすかったり、ネットにたくさん転がってるから。
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「オレは女のキモチ♡がわかる」のソースはポルノの可能性
参考にした記事
最後に、今回この記事を書く元となった文章を紹介したいと思います。
ケア役割を押し付けられながら、配慮や気遣いと結びついた「あるべき女性像」のもと、女性はそういう男性のあり方に「理解」を示すことを求められてきました。
そして、そういう女性の「理解」に乗っかることで、冒頭で述べたような不平等は維持されてきたわけです。
要するに、男性にとって「変わる」ことは、いつまでも二の次にしておける問題、解かなくても別に困らない問題だと思っていることが、あからさまなのです。(中略)
そして、このような困難が男性の変わらなさに由来しているというのに、それでも女性が男性の訴える「変われないつらさ」を理解し続けてあげなければいけない理由は、どこにあるのでしょうか。
引用:WEZZY「俺だってつらいんだ」に終始する男性の生きづらさ論/『介護する息子たち』著者・平山亮さんインタビュー【1】
以前、平山亮さんの「迫りくる「息子介護」の時代」を読んだことがあるのですが、すごく勉強になる内容でした。興味のある人はゼヒ!
まとめ
- 女が一方的に配慮していては何も変わらない。
- ミソジニーを無視しているとカモにされる。
- モヤモヤ神話を検証すべき、でも結構難しい。
- アプデしようとする人を取り込もうとする人もいる。
- 男の言う「女のコのキモチはわかってる」は、するときはいつも女側に感情移入しているという告白。