自分のために怒ってくれる人がいると、人は怒りを取り戻せる

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長い年月、怒っちゃいけないと言われて生活していると、人は自分のために怒ることが難しくなります。

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

今回描きたかったのは、そういう長年セクハラに耐えてきた女性が、他の女性から肯定されることで怒りを取り戻す様子。

上のマンガでは、50代の女性が同僚の30代の男性から「米本さんだったら全然イケる。その色気は若いコには出せない」とセクハラされています。

【創作マンガ】「職場に何しに来てるの」3

なんで米本さんが他部署の年下の女性・斉藤さんにこの話を切り出したかと言うと、「セクハラ野郎・上野に気をつけて」と注意を促したかったから。このシーンは斉藤さんが上野にセクハラされたところを救出した直後。

おかしいことをおかしいと言ってくれる人(ありがたい)

でも話を終える前に斉藤さんがすかさず、「その発言はおかしい!」と米本さんのために怒ってくれます。

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

セクハラに慣れ切っていて、どうやってサバイブするかしか選択肢が持てなかった古い世代の米本さんに対して、30代の斉藤さんはセクハラを真っ向から「おかしい」と非難。斎藤さんも上野からのセクハラになすすべがないものの、米本さんの時代より価値観は進化しています。

ジェネレーションギャップを乗り越えて支え合う女性たち…こういうのに癒されるし希望を感じます!

不当な待遇を認めることで正常化がはじまる

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

米本さんは新しい価値観を拒否せず、素直に受け入れて自らも変容していきます。何歳になっても柔軟に自分を変えていける人って魅力的ですよね。

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

不当な待遇を客観的に第三者に認めてもらうことで、米本さんはフタをしていた怒りが徐々に解放されていきます。

本当はずっとおかしいと思っていたのに、正常な判断を奪われていた…そんな女性たちも、安全な足場を確保すれば本来の感覚を取り戻せるはず。

サバイブのために意に反して珍よしに加担した過去があったとしても、いつでも変われるし、その状況わかるよ、というメッセージをこめています。

色々な立場の女性がいて難しいときもあるけど、少しずつ乗り越えて和解できたらいいですよね。

他人のために立ち上がるにはまず受容が必要

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

当初は「上野に気を付けて」とアドバイスをするつもりだった米本さんですが、斉藤さんと話すうちに自分たちの置かれた状況の不当さに気付き、コンプラに通報することを勧めます。

若い斉藤さんにとっては、当たり前のあいづち。でもずっと組織の中で孤独だった米本さんにとって、斉藤さんからの共感はとても大きいものでした。セクハラなんて女性同士でも普段なかなか話題に出せなかったし、ましてや「それはおかしい」と怒ってくれるなんて想定していなかったから。

こんなふうに他意のない受容が、思いのほか誰かを力づけることってありますよね。価値観が違う人と話すと、こういう素敵な偶然が起こることがあるからいいんですよね。

私的関係じゃなくて制度に救われたい

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

女性同士仲がよくて助け合えることは素敵だけど、それはそれとして正義がまともに機能する組織であって欲しい。力のある女性に気に入られることで安全が保たれる状況なら、旧来の男社会と変わんないです。

それには従業員の大多数の倫理観がまともで、ゆるく信頼しあえることが必要。当たり前のことなのに、多くの会社で出来ていないんですよね。トホホ…

今回米本さんがコンプラ室に通報することを勧めたのは、去年あたりから会社の風向きが変わってきたことに気付いていたから。具体的には、男社会のノリにのらない若い男性の出現です。このあたりの話を次の話では描いていきたいと思っています。

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