同僚なんかにケアを求める男性の内面ってかなりウェットで侵襲的だよね

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先日こんなマンガを描きました。

せっかくマンガを描いているんだから、描いたものをさらに文章で説明するのは悪手だと思うんですが、やっぱり細かい気付きとか共有したいので書くことにしました。

「受け止めて欲しい」はやっぱり性的なニュアンスがともなう

「かわいい女のコに癒されたい♡」

本人は「男なら当たり前だよ」という顔をして、いかにも一般的で健康な欲望のように言います。

でも実際によく知らない人から”癒し”を求められたときの身体感覚って、割とベッタリ侵されるような気持ち悪さがあるよな、思って下記のシーンを描きました。

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜
右手の位置~~~!!

まず感じるのが「不安や不快な身体感覚を、女性の肉体で受け止めて欲しい」という距離感ゼロの生温かさ。キショい赤ん坊に力づくで乳を吸われそうになるような、侵食される不快感。強制的にロマンチック(?)な二人だけの世界に連れ去られて、幽閉されるような息苦しさ。

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜
客観性を失った上野が醸し出す「二人だけの世界」。もはやレ井Pu。

こちらの意向を無視して一方的に浴びせられる親密さって、本当に筆舌に尽くしがたいキモさがありますよね。

「まとも」な人の狂気

しかも相手が求めていることはただ単に仲良くすることじゃなくて、やっぱりこちらを侵襲することっぽくて。湧き上がる自分でもよくわからない不安や身体感覚を、目の前の女性の身体を使って解消したい、みたいな。

それは大人なら他人にぶつけていい感情ではないし、ましてやよく知らない職場の人ならなおさら。でもテレビとか春樹とか(?)が肯定するから、疑問が浮かびそうになっても無視してしまう。さらに自分でも「恋愛」と甘くコーティングして、加害行為に気付かないフリが出来てしまう。


「職場に何しに来てるの」乃国 蜜
自分の異常性に気付きそうになったら相手のせいにして回避するよ!

こういう欺瞞が透けて見えちゃう人もいるけど、本人の自認はあくまでも「まとも」。こんなふうに正気と狂気をチラチラ明滅させた人が、まるで普通の人みたいな顔をして生活している…社会に対する信頼を失いそうになってしまいます(白目)。

このイメージは赤ちゃんべちゃべちゃスライム(ドブ黒おティンPO)だなと思って、絵に反映させました。

おティンPO中心主義のせいで感情がジェットコースター

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜

こちらに突き立てられた人差し指、そしてぶらぶら所在なく揺れるネクタイ。どちらも男性シンボルです。

「受け入れてくれるのか?!(唐突)」→「いや、そりゃそうだよな…(からの、被害者づら)」→「でも願い続ければワンチャンあるかも!!(一生学ばなくて不気味)」みたいな。

お前何でもそれ中心で行動すんのな、という困惑とあきれを表現してみました。

何かというと侵襲したがり、勝手にすぐ萎える。そこを基軸に物事を考えるから感情がジェットコースター。日常がままなりません。オラこんな狂人のお世話係は嫌だ~オラこんな狂人のお世話係は嫌だ~東京へ出るだ~(ただし世界的にみると東京こそメッカ)

他の男に負けた不安からセクハラしちゃう的な…?

あと「”癒し”を求める男性」が解消したい不安の中身なんですけど、「他の男に負けること」も入ってるかなという気がします。

「職場に何しに来てるの」乃国 蜜
不安を他人になすりつける卑劣さ。女性をケアギバーと見定めることは、こういう八つ当たりを正当化する効果がある。

「他の男に負けた!」→「辛い…だから…せめてオトコの部分でオマエに勝たせて?」→ 女性に甘えるという体でセクハラ
(この文を書いててゾッとしました。「勝ち」という概念の独り歩き!)

何というか、セクハラする人って余裕(?)があるんですよね。業務以外のことをいっぱい考えている。(そもそも”業務”の定義が私が想定する物とは少し違うのかもしれないけど…。)

こっちはミスしないとか、情報をちゃんと集めるためにコミュニケーション取ろうとか、業務そのもので精一杯だし、基本的にそれ以上のことを考える余裕がありません。せいぜい早く帰りたいとか休みたいとか、もっとラクして給料上がんないかなとか、やっぱり仕事のことは業務を中心に考えます。

でもセクハラする人って会社と心の距離が近いというか、考え方ももっとウェットな気がしていて。たとえばすぐなんでも人格的評価に結びつけようとするところとか。


「職場に何しに来てるの」乃国 蜜
他の男が褒められたことで深く傷ついてしまい、強い不安が惹起される
「職場に何しに来てるの」ドラフト版 乃国 蜜
褒められた男、村田(中央の眼鏡の男)。まだ本編で村田を描いていないのでドラフト版から引用

この褒められた男(村田)はコミュニケーションが取れて仕事が出来る人(上野と同チーム)という設定なので、村田が褒められているところを見ると上野が嫉妬するのはしょうがないのかな、と思うのですが、生存権がおびやかされるレベルの強い反応が出るのは何でだろうな、と。

(自分で描いといて「何でだろう?」と言っててすみません。私にとってマンガを描くのは、創造というより発掘に近い感覚があって)

メンバーシップ制度だから資格の有無が争点になるのか

やっぱり日本の会社は今でも「”健常男性”なら仲間に入れてやろう」というメンバーシップ制度的な考えで運営されていて、上野にとっての”業務”とは「健常男性であり続けること」。すぐ業務と人格を結びつける上野の思考パターンは、私にとってリアリティを感じるものでした。

「職場に何しに来てるの」ドラフト版 乃国 蜜
メンバーシップ制度の影響?親密さも批判も全人格的におこなわれがち。

上野は自分の不適切な言動(「美人」「男子校出身だから色々()教えて欲しい」)は棚に上げ、不快感と怯えをあらわにした斉藤に対し、「こんな世間知らずではこの先やっていけない」と内心思います。

「オレのすべてを受け入れて欲しい!!(ほんと唐突)」 → 拒絶(「本当は自分の行動が不適切だったんじゃないか」とか、順当に考えてることもある。だから言動の端々がビクビクしている。狂気と正気が明滅) → 「お前は何もわかっていない。社会人としても女としても失格だ!!(極端だよね。相手を断罪して自分と向き合うことを避ける卑怯さとかがそうさせるのかな)」

まとめ

よく知らない人間に、急な親密さを要求する人の頭の中って一体どうなっているんだろう、という疑問について、私が考えたことをマンガを引用しながら解説してみました。

やられたときは「一体何事なの?!」とモヤモヤするばかりなのですが、本を読んだりSNSを見たりするうちに「こういうことかな?」と少し見えたような気がしました。

みなさまの整理の一助になれたら幸いです!

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